2020年01月04日
サーマルリサイクルとは

プラスチックのリサイクルの手法には3種類あることをご存知ですか。

その1つにサーマルリサイクル(英語:Thermal recycling)というものがあります。

サーマルリサイクルとは、プラスチックなどの廃棄物を単に焼却してしまうのではなく、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収(再利用)し、利用することを指します。
そのため、日本語では熱回収とも呼ばれます。
そのため、日本語では熱回収とも呼ばれます。
サーマルリサイクルの例

サーマルリサイクルの例としてはどんなのがあるん?

主に発電に使われることが多く、温水プールを温めることに使われたりもしていますよ。
そのほかにはセメント原・燃料化、固形燃料化(RPF、RDF)などがあります。
そのほかにはセメント原・燃料化、固形燃料化(RPF、RDF)などがあります。
サーマルリサイクルとマテリアルリサイクル

プラスチックをリサイクルには3種類あるとお話しましたが、あとの2つはマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルです。

マテリアルリサイクル(物から物へのリサイクル)とは、廃棄物を製品の原料として再利用することを目的としたリサイクル手法です。
例えば、ペットボトルからもう一度ペットボトルや食品トレイにしたりすることをマテリアルサイクルと呼びます。
例えば、ペットボトルからもう一度ペットボトルや食品トレイにしたりすることをマテリアルサイクルと呼びます。

何度も同じマテリアルを利用することができるので、とてもサステイナビリティの高いリサイクル手法だと言えますね。

最後にケミカルリサイクルとは、プラスチックなどを化学反応により組成変換した後にリサイクルすることを指します。
こちらも同じように、再生ペットボトルを作ることができます。
こちらも同じように、再生ペットボトルを作ることができます。

マテリアルリサイクルができるのに、わざわざケミカルリサイクルするのはなんで?

ケミカルリサイクルでは、組成変換の際に、異なる材質のものが取り除かれるため、品質が高くなるんですね。

なるほどね。面倒やけど、その分品質が高いわけや。
サーマルリサイクルの割合

ところで、どれが一番メジャーなリサイクルなん?
サーマルリサイクルの割合はどれくらい?
サーマルリサイクルの割合はどれくらい?

いい質問ですね〜

こちらが、それぞれのリサイクル手法の割合です。



サーマルリサイクルが57.4%、マテリアルリサイクルが23%、ケミカルリサイクルが4%となっています。(プラスチック循環利用協会(2016年))

サーマルリサイクルが圧倒的やな
サーマルリサイクルはリサイクルではない?

海外ではサーマルリサイクルはリサイクルに分類されていません。

これは、やはり「熱回収」であってリサイクルではないのです。

まぁ確かに。
サーマルリサイクルによる二酸化炭素の排出量

サーマルリサイクルによる二酸化炭素の排出量は2009年のデータですが、85.9万トンとなっています。
2005年で約50万トンでしたので、2019年現在はもっと多くなっているでしょう。
2005年で約50万トンでしたので、2019年現在はもっと多くなっているでしょう。
サーマルリサイクルのメリットとデメリット

サーマルリサイクルって世界からも認められてないし、二酸化炭素がでるっていうデメリットもあるし、あまりいいように見えないけどなんでやってるん

はい、もちろんサーマルリサイクルにもメリットがあるんですね。

まず、サーマルリサイクルがなければプラスチックは埋め立てられることになります。

埋め立てられたプラスチックはその後何百年と残ることになります。

また、プラスチック容器に付着する食物くずや劣化したプラスチックからは温室効果ガスの1つであるメタンガスも発生しています。*1

サーマルリサイクルのおかげで、2005年から2009年で8.2万トンの温室効果ガス(メタンガス)の削減ができています。(9.9万トン→1.6万トン)*2

でも、二酸化炭素の排出量のほうが圧倒的に多いな

はい、たしかにそのとおりですが、メタンガスは二酸化炭素の25倍温暖化する能力があると言われており、一概にその量だけでは測ることはできません。

また、プラスチックを焼却することにより電力が発生します。

このサーマルリサイクルからの電気エネルギー量は2018年時点で総発電量12.5億kWh、約105億円の売上になっています。*3
日本はサーマルリサイクルをやめるべきか

日本はサーマルリサイクルを続けるべきかどうかですが、私としては続けるべきだと思っています。

埋め立てられた場合、メタンガスが発生しますし、その温室効果の影響はサーマルリサイクルよりも大きいと思われます。

当然ながら、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの割合を増やしていくこと、そもそものプラスチックの廃棄量を減らすことは大きな課題です。
参考文献
おしまい

つぎ、こんなことしたらええんちゃう?